インタビュー

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恩師の教えを守り続けて
地域に根差したクリニックに

恩師には、「医師はどんなときも患者さまを診なくちゃいけない」と教わりました。私が開業したばかりのころは、夜中に病気の子どもを診て、翌朝つきっきりで看病していた親御さまと一緒に、よく夜明けのコーヒーを飲んだものです。

また、子どもたちが診察を受けることに対して恐怖を感じないように、クリニック内の雰囲気作りやスタッフの育成にも力を入れております。

日々の診療のなかで、気を付けていることを教えてください。

子どもにできるだけ負担をかけないような、飲みやすい薬を探すようにしています。
また、不要な検査はお子さまの負担になるだけなので、できる限り行わない方針です。インフルエンザのように治療薬があれば検査する意味もあるのですが、RSウイルス感染症などは、検査結果が陽性・陰性に関わらずお薬の処方は同じなので、必要な場合にだけ行うようにしています。

スタッフに患者さまへの対応で徹底していることはありますか?

自分のミスを自分でカバーするようにとは、常々スタッフに伝えています。年を重ねてくるとだれでもミスをするものです。当院は勤務歴の長いスタッフが多く、短い人でも8年の勤務歴があります。だからといって毎日の業務に慣れすぎておろそかにならないよう、気をつけています。

小児科の医師としてのやりがいを教えてください。

最近は体力が持たなくなってきましたが、開業した当初は、親御さんたちに「子どもの調子が悪くなったらいつでも連絡して」と伝えていて、高熱だったりけいれんだったり、自宅で様子をみていられないような緊急を要する症状については、24時間受け入れていました。夜中つきっきりで子どもを看ていた親御さんと、朝よく一緒にコーヒーを飲んでいました。子どもが落ち着いて一息ついたときには、達成感がありますね。

漢方治療を始めたきっかけはなんですか?

名古屋で開かれた日本小児科学会の学術集会で青山重雄先生とご一緒したのがきっかけです。もともと西洋医学で医療に従事していた方なのですが、ぜんそくをお持ちで、西洋医学では十分に治癒せず、身内にいた漢方の先生に診てもらったらすっかり改善したそうです。私も腰を痛めて診てもらい、漢方を飲み始めると痛みが和らいだのを感じました。そこで子どものアトピーやぜんそくを診てもらう時間を設けたんです。月に1度ですが、患者さまのご要望も多いですよ。